Portugal 2016
旅日記6日目(2015/12/28)-02
敷地内には教会と教区センターという建物が建っている。
夫がネットで調べた際、『教会は常に鍵が閉まっていて、隣の建物にいる不愛想なおじさんに鍵をあけてもらう』と書かれていたそうなのだけれど、ちょうど教会に向かっていく地元の人風の女性がいたので、その人について私達も教会へ向かってみたけれど、やはり鍵が閉まっているようだった。
それなので、私達もその女性の後をついて隣の教区センターに向かった。
その女性にならい、となりの建物のエントランスで傘をおいて、中の事務所に向かうと、女性とおじさんが挨拶を交わしているところだった。
おじさんが私達に気付き、こちらに顔を向けたので「教会を見学したい」と伝えると、「少し待って」と言われ、「中の写真は絶対に撮らないように」とも言われた。
それなので事務所の外に置いてあった椅子におとなしく座って待つことにした。
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マルコ・デ・カナヴェーゼスのサンタ・マリア教会 アルヴァロ・シザ設計
シザの建物は青空が似合う…と思うのですが 今回も雨…というか豪雨 |
この時は14時30分を余裕で過ぎていたと思う。
夫がネットで調べた情報では午後は14時から見学できるとあったそうなのだけれど、おじさんは先程の女性の応対が終わって、女性が出ていってからもしばらくの間、自分のデスクで作業をしていて、事務所の外に出て来てくれそうになかった。
14時ではなく15時からなのかなぁ…と話していると、やっと仕事が一段落したのか、時間になったのか分からなかったけれど、椅子から立ち上がって、後ろにかけてあったコートを着始めてくれた。
その後も、急ぐことなくゆっくりと歩いて事務所を出てきて、二コリともせず、顎をしゃくるようにして行くよといったジェスチャーで建物の外へと向かった。
この教区センターの建物内にはおじさんしかいなかったようで、エントランスに鍵をかけてから教会へ向かった。
教会に入る際も、もう一度「中では写真を撮ってはダメ」だと念を押された。
(ネット上には、たくさんの内部写真があるので常に写真撮影不可ではないのかも。よく分かりませんが、事前に申し込めばいいとか?係りの人によるとか?…もしかして、私達の人相が悪くてダメだった?)
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左端にちょっと写っているのが教会 右側の建物が教区センターの建物 |
教会内に入ると、中は白い壁の美しい空間になっていた。 開口が多い訳ではないし、天気も悪かったのだけれど、内部空間は柔らかい光で満たされていた。
中の写真は撮れないので 全て外からの写真になりますが… (ネット上にはたくさん内部の写真もありますので 興味のある方は是非そちらで確認してください) |
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ものすごく背の高い扉があります 内側は木でした |
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通り側には横長の窓 サッシは1つではありませんが
美しく風景を切り取っていました |
最初、私達が見学している間、おじさんは祭壇にあるろうそくに火をともしたり、色々作業をしていたのだけれど、その作業が終わったようだったので、事務所に戻るのかと思い、鍵を受け取っておいたほうがいいのかな?とおじさんに近づいていったら、怪訝な顔をされたので、「あれ?そのまま教会内にいるの?」とボディランゲージで聞くと、当然だといった顔で頷いていた。
てっきり鍵を渡されて見学が終わったら自分達で鍵を閉めて出ていくシステムなのかと思っていたのだけれど、おじさんがずっと見張っているシステムだった。(…さすがにずっと見張っている訳ではなく、他の部屋へ行っている時間も多かったので、「見張る」という意味で教会内に残っている訳ではなかった思う。)
夫は、私から見ると完全に『おじさんのことは気にしないぞ体制』に入っていて、教会内のあちらこちらを見て、椅子に座ってぼんやり天井を見上げ、またあちらこちら見てと、なかなか見学を終えようとしなかった。(後で聞くと、夫なりに気まずさは感じていたらしく、他に見学する人が来ないかなぁ…と期待していたらしいのだけれど、この日は豪雨ということもあり、結局最後まで私達以外の誰も来ることはなかった。)
私も、じっくり見学したいであろう夫のために、がんばって無になろう、おじさんのことは気にしないようにしよう…としていたのだけれど、その間、おじさんは何度も、他の部屋へ行って何かして、戻ってきてこちらを見て、というのを繰り返していて、特にプレッシャーをかけていた訳ではないと思うのだけれど、私が小心者すぎて、その気まずい時間に耐え切れなくなって、「ゴメン、もう耐えられない。お願いだから出よう…」と夫に伝えた。(実際、その時間がどのくらいだったのか…さすがに1時間ってことはなくて3〜40分だったのかも。私的には耐えられない長時間に感じたけれど…。)
夫はまだ名残惜しそうだったけれど、さすがに諦めて教会を出ようとしてくれたのだけれど、出入り口の横に別の部屋があって、この教会の本などが置いてあるのに気付いてしまった。
おじさんに「ここも見学していい?」と聞いているので、あちゃーと思ったのだけれど、おじさんも待たされるのに慣れているのか、嫌な顔もしないで(もちろん笑顔もないけれど)、その部屋の明かりをつけてくれた。(日本人が求めるような愛想がないだけで悪い人ではないんでしょうね。)
私は小心者なので、「おじさんを待たせたお詫びではないけれど、せめてその本を買ったら?」と夫に言ったのだけれど、夫はまたしてもじっくりその本を見ておいて「買う程でもないからいい」と、のたまった。
なんとまぁ、ハートが強い人なんだろう…とあきれもしたけれど(先程も書いたけれど、後で聞いたら、一応気まずさは感じていたそうだけれど…)、出費が抑えられるのは喜ばしいことなので、そのまま教会を後にすることにした。
その間、おじさんが点けてくれた照明器具に、プラスチックのハンガーがかけてあって、そのハンガーが溶けて煙が出るという騒動もあったのだけれど、おじさんが気付き、ハンガーをどけて無事鎮火していた。(シザの有名ケンチクが火事になるところでした…。)
教会の外へ出た時には(…やっと)、雨もさすがに豪雨という程ではなくなってきていたので、じっくり外観を見るとことにした。(夫が)
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豪雨ではないとはいえ、雨は降っていたので
私は、この下の屋根がある部分で待っていました 上に載せた外観写真も全て この間に夫が撮ったものです
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教区センターの建物 それにしても汚れがひどいですね… |
外観をとりあえずグルリと見終わったというので、教会を後にすることにした。
さすがに体が冷えてきたので、近くにあったカフェで休憩をする。 雨の状態によっては、このカフェでタクシーを呼んでもらおうと思っていたのだけれど、かなり小降りになってきたので、少し休んだ後は、歩いて駅まで戻ることにした。
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ナタを注文 ここのお店のナタは ちょっと美味しくなかった… |
ポルトで切符を買う際、往復の切符を買おうとしたのだけれど、乗る列車によって料金が違うから、帰りの時間が決まっていないなら無理と言われて買っていなかった。
それなので、このマルコ・デ・カナヴェーゼス駅で帰りの切符を買おうとしたら、既に窓口がしまっていた。(行きにトイレへ行くための傘を貸してくれた駅員さんががいた場所が切符売場の事務所スペースでした。)
それなら自販機でと思ったのだけれど、この駅にあった自販機はクレジットカードもお札も使えないタイプのもので、ポルトまでの切符が買える程のコインは持っていなかった。
ちょうど乗りたかった列車がホームに入ってきて、どうしようかとキョロキョロしていたら、行きにトイレの鍵を借りた部屋から、その時にいた作業服を着た係りの人が出てきたので、「チケット…」と訴えてみたら、停車していた列車を指さして中で買えばいいというようなジェスチャーをしたので、列車内で買うと割高になるんじゃなかったかな?と思いつつも他に方法がないので、その停車中の列車に乗ることにした。
駅を出て少しすると車掌さんが検札に来たので、チケットを発券してもらった。
その料金は、自販機に表示されていた料金よりも安いものだった。 列車内で買うと割高になるという記憶は、どこか他の国の記憶だったようだ。
この後は、行きと同じく、途中駅で乗り換えてポルトのサン・ベント駅まで戻った。
乗り換えた列車内が少し寒くてコートを着たまま乗っていたので、サン・ベント駅を降りたら震えが止まらなくなるくらいの寒さを感じた。
でも、この日は夕食を食べに行きたかったので、夫が事前に調べてあったお店へ直行することにした。(ポルトの道も複雑ですが、隣で私がガタガタ震えているという緊張感あふれる状況だったので、迷わずお店にたどりつきました。)
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ということで、まずは温かいスープ チキンスープだったと思います |
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タコの天ぷら(フリット) 1/2サイズ 予想していたのとまったく違った形状で登場
私は予習を全くしていないので タコの天ぷらと聞いて 居酒屋メニューの タコのから揚げをイメージしてました 居酒屋のから揚げと違って
大きくカットされているので フワフワでおいしかったです
で、このタコの添えものがこちら↓ |
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赤い豆入りのリゾット
追加で注文したものではなく この2つで1つのメニューです これだけを二人で食べたとしても 食べきれない量です
この料理で16ユーロでした |
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↑トリッパと白いんげん豆の煮込み ライス添え 1/2サイズ
これは別に頼んだものですが タコの添え物とかぶってしまった…
でも見た目はそっくりですが、味付けは違います
トマトがベースというのは一緒ですが… |
このお店は、ガイドブックにも載っているとても大きなお店で、そのガイドブックによると席数は300もあるのだそう。
そんなにたくさん席があるのに満席に近いお客さんの入りだった。 でも店員さんも多くいて、ベテランっぽい方が多かったので、サービスはよく行き届いている感じだった。
メニューの構成からみると、観光客向けなのかもしれないけれど、まぁまぁおいしく頂けた(といっても量が多すぎて、途中で飽きてしまいましたが…)。
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この日は、このお店でケーキも頂べて帰りました |
上記料理の他、ワイン1/2ボトル、水、コーヒー2杯で45ユーロ弱。 価格も高くなく、意外と満足できる夕食となった。
→ 次は、7日目
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